大気圧と真空


$$ \def\bra#1{\mathinner{\left\langle{#1}\right|}} \def\ket#1{\mathinner{\left|{#1}\right\rangle}} \def\braket#1#2{\mathinner{\left\langle{#1}\middle|#2\right\rangle}} $$

真空とはどういう状態をいうのでしょうか?
 通常の大気圧よりも低い圧力の気体で満たされた空間の状態.
 圧力そのものをいうのではない.
 (JIS Z 8126-1:1999 真空技術-用語-第一部: 真空用語)
つまり、「真空」とは言葉通りに「真」に「空」ということではないようです。(恐らくそんな状態はありえないと思いますが)

では、真空のことは少し置いておいて、我々が住んでいる「大気圧」のことを考えてみましょう。
大気圧というのは、地球の重力で地球の表面に留まっている空気の単位面積当たりの重さ(圧力)です。
大体どれぐらいかというと\(\ 1cm^2\ \)当たり\(1kg\)重ぐらいに相当します。

図1. 大気圧

これは、普通に考える以上にかなり強い力だと思います。
例えば吸盤がくっつくと結構強い力でも剥がれないというのも納得できます。
図2を見ればわかるように、たかだか5cm四方の小さな吸盤でも25kg重相当の力で引っ張らないと剥がれないことがわかります。
吸盤と壁がくっついていて、隙間が非常に小さいと、引っ張ってもその隙間の圧力が低いため、片方向にのみ大気圧で押し付けられるので、剝がすためにはそれに逆らった力が必要になるということです。
大気圧というのがいかに強いというのが実感できると思います。

図2. 吸盤